熱中症になったらどうすればいい?
- 熱中症
- 2017年07月19日 (水)
熱中症の応急処置(熱中症になったら)
熱中症を疑う症状がある場合、熱中症になってしまった場合、応急処置が必要となります。1 避難・救急車の呼び出し
涼しい環境への避難 風通しのよい日陰や、クーラーが効いている室内などに避難させます。意識がないなど、症状が軽くない場合はすぐに救急車を呼びます。2 脱衣と冷却
- 衣服を脱がせて、体からの熱の放散を助けます。きついベルトやネクタイ、下着はゆるめて風通しを良くします。
- 露出させた皮膚に水をかけて、うちわや扇風機などで扇ぐことにより体を冷やします。下着の上から水をかけても良いでしょう。
- 氷のうなどがあれば、それを前頚部の両脇、腋窩部(脇の下)、鼠径部(大腿の付け根の前面、股関節部)に当てて、皮膚の直下をゆっくり流れている血液を冷やすことも有効です。
- 深部体温で40度を超えると全身けいれん(全身をひきつける)、血液凝固障害(血液が固まってしまう)など危険な症状もあらわれることがあります。
- 体温の冷却はできるだけ早く行う必要があります。重症者を救命できるかどうかは、いかに早く体温を下げることができるかにかかっています。
- 救急車を要請したとしても、その到着前から冷却を開始することが求められます。
3 水分・塩分の補給
- 冷たい水を持たせて、自分で飲んでもらいます。
- 冷たい飲み物は胃の表面から体の熱を奪います。同時に脱水の補正も可能です。
- 大量の発汗があった場合には汗で失われた塩分も適切に補える経口補水液や食塩水(水1ℓに1~2gの食塩)が有効です。
- 応答が明瞭で、意識がはっきりしているなら、口から冷やした水分を与えてください。ただし、冷たいものを大量に飲ませた場合、胃痙攣がおきることがあるので注意が必要です。
- また、スポーツドリンクではナトリウム濃度が低いため、病的脱水時にこれを与えると低ナトリウム血症から水中毒を誘発する可能性があります。特に乳幼児等には注意が必要で、経口補水液の投与が望ましいです。
- 「呼び掛けや刺激に対する反応がおかしい」、「応えない ( 意識障害がある )」時には、水分が気道に流れ込む可能性があります。これらの場合には、経口で水分を入れるのは禁物で、病院での点滴が必要です。
4 医療機関へ運ぶ
- 自力で水分の摂取ができないときは、点滴で補う必要があるので、緊急で医療機関に搬送することが最優先の対処方法です。
- 実際に、救急搬送される熱中症の半数程度が、意識障害や痙攣などを起こす重症者です。医療機関では、まず採血を行い、ナトリウムと腎機能を調べます。
その他、応急処置の留意点
- 夏場の重労働などでは早めの飲料の摂取が熱中症を防ぐポイントとなります。霧吹きで全身に水を浴びせることや、気化熱によって冷やすこともいいとされています。また、冷たい缶ジュースや氷枕などを腋の下、股などの動脈が集中する部分にあてて冷やすことも効果的です。
- 速やかに病院などに連れて行くことや、躊躇せずに救急車を呼ぶこと、移動させるのに人手が必要と思えば大声で助けを呼ぶことも大切です。
- 脱水が起こると、汗をかくことができません。汗をかかず、体温が高くなくても熱中症になっている可能性があります。
- 体温調整が出来なくなっているために、高温多湿の体育館内での運動中などに寒気を訴える場合があります。この場合に熱中症の兆候を疑うことも必要です。
- 自覚症状として事前に熱中症だと感じることは難しいのですが、足がつるとか、手がこわばるという症状を感じる人もいます。自分で大丈夫だと思っても「おかしい」と思った時には遅い可能性があります。
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